後発白内障

後発白内障とは、白内障手術後に一定確率で起こる目の病気です。
名前だけ聞くと白内障が再発すると思われるかもしれませんが、実はそうではありません。

現在国内で実施されている白内障手術は「超音波白内障手術」が一般的であり、この手術方法は「小切開による低侵襲医療（＝心身への負担が少ない）」として広く認められています。
多くの患者さま白内障手術後に見え方（視機能）の改善を実感されますが、手術後しばらく経つと視機能の低下が一定の割合で起こる場合があります。

この視機能の低下原因の1つが、「後発白内障」や「前嚢収縮」であり、これらは白内障手術後に起こる合併症です
しかし、眼に他の病気がない場合は数分程度の外来治療によって改善することができ、見え方を白内障手術後の状態に戻すことが可能です。

白内障手術後に後発白内障や前嚢収縮が発生した場合、視機能の低下が認められる場合には治療が必要となりますので、事前に把握しておきましょう。

後発白内障の症状

• 視界がぼやける
• 視界がかすむ
• 光のまぶしさに敏感になる
• 視力の低下

など、白内障と同じような症状が認められます。

後発白内障の原因

白内障手術では、水晶体嚢（水晶体の入った袋）の前面（前嚢）を円形に切開し、超音波により水晶体を破砕吸引した後、水晶体の代わりとなる眼内レンズを挿入します。

しかし、このとき水晶体嚢に水晶体上皮細胞が残ります。
この水晶体上皮細胞が増殖して、水晶体嚢を濁らせてしまいます。

これが「後発性白内障」の原因です。
白内障手術後、5年以内での発症率は約20％とされています。

後発白内障は、現在の医療では完全に防ぐことはできませんが、簡単な外来治療で改善することが可能です。

後発白内障のレーザー治療

軽度な後発白内障や前嚢収縮の場合、視機能に影響がでていなければ特に治療の必要はありません。
進行し、視機能に以上が認められる場合には、「YAGレーザー」を用いた治療が必要となります。

レーザー治療では点眼麻酔後に特殊なコンタクトレンズを装用して、レーザーを照射します。
治療時間は5分程度で、治療時の痛みはほとんど感じません。

また、レーザー治療の後は眼内の炎症、眼圧上昇、網膜剥離などの合併症が稀に起こりますので、治療の翌日と術後1週間後を目安に経過観察のため、ご来院していただく必要があります。

治療方法について

YAGレーザーを使用して、混濁した水晶体嚢をレーザーによって切開・切除し、再び眼内へ光を取り込めるようにすることで、視機能を改善させます。

切開した際に破片が眼の中に散らばることがあり、治療後は飛蚊症の症状が現れます。
これにより虫や糸くずのような浮遊物が視界に散らつくことがありますが、徐々に改善します。

また、後発性白内障は一度治療すれば再発することはほとんどありません。

費用

治療は保険適用となります。
費用はおおよその目安となります。